昔のものの中には、跡形もなく消えてしまい、今はその姿が見られないものが数多くあります。昔のもののごく一部だけが保存するに値するといって文化遺産に分類され、博物館に展示されたり、人の手の届かないところで保護されたりしています。まるでミイラのように昔の生活の様子を保っている北村は、博物館に展示されている死んだ文化遺産ではなく、今日もまだ息づいている宝物であるといえます。
歴史が息づいている空間と、昔ながらの文化を守って発展させている職人たちのコラボレーションは、新しい文化遺産になって定着されつつあります。従って今回は、伝統文化を現代社会の中に定着させるために力を尽くしている北村伝統工房協同組合に触れてみたいと思います。北村伝統工房協同組合は、伝統に現代的な実用性を与え、更に競争力をも加えることで、韓国伝統文化の現代化かつグローバル化を実現させようと努力しています。
北村伝統工房協同組合のメンバーには、玉工芸の「イェジバン」、仏教美術の「北村仏教美術保存研究所」と木工の「清園山房」、伝統的なパッチワークについて学べる「ギャラリーミル」、そして天然染色の「ハヌル・ムルピッ伝統天然染色研究所」があります。
そもそも染色は「染」という文字から分かるように、水と草木をもって行われます。九は数学でいう絶対数を意味しており、何度も何度も繰り返して染めないと良い作品には仕上がらないという意味なのではないかと考えられます。染色には多様な材料が用いられます。エンジュ、ログウッド、蘇木、タマネギの皮、紫紺、ベニバナなどなど、本当に様々です。
「ハヌル・ムルピッ」は染色体験プログラムを設けています。ハンカチや手鏡、スカーフなどを作る体験プログラムですが、団体の場合は昌徳宮の前にある「ハヌル・ムルピッ伝統天然染色研究所」で、個人の場合は三清洞にある北村工芸館で一年中行われます。プログラムに参加するとしたら、先ず予約をしなければなりませんね! 予約は前日までに済ませないといけません。当日予約は受け付けないとのことですので、参考にしてください。
体験プログラムの他に、染色に関する講座も設けられています。講座の種類は色々ありますが、12種類の基本染材実習、藍染めコース、文様コースをはじめ、講師資格コースや専門家コースもあります。
伝統を守るために絶え間なく努力している北村伝統工房協同組合! その一員である「ハヌル・ムルピッ」を訪れて、様々な文化を体験し、韓国の伝統文化をたっぷり楽しんでみてください(^^)!